妊娠前提マリアージュ~強面の海運王の身ごもり妻、赤ちゃんの誕生日が二人の離婚予定日~
私達がクリニックから出ると駐車場に停めた車の前で間宮さんが待っていた。

余命半年とされた匡貴さんの父親の手術は一時無理だと言われていたが、担当医の東亜の伊集院院長が果敢に挑戦して難手術を成功させた。
今は経過は順調で、入院生活を送りながら、初孫の誕生を待ちわびている。

「どっち似かはまだわからないが…子供の誕生は楽しみだな…」

匡貴さんは私のお腹に優しく触れる。
するとその手に反応するかのように赤ちゃんが動いた。


私と匡貴さんはこの子のパパとママ。


―――この子に会える日はそう遠くない。


                (完)



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