妊娠前提マリアージュ~強面の海運王の身ごもり妻、赤ちゃんの誕生日が二人の離婚予定日~
彼に求められ、抱き尽くされたカラダは全身に力が入らなかった。

夜の帳が下りて、私は彼の用意したドレスに身を包んだ。
ドレスのサイズも靴のサイズもジャストサイズ。

彼の選んだモノで全身コーディするのは気が進まない。
彼の色に染められたようで嫌だった。

「食が進まないようだな…」

ディナーはホテルの三階にある老舗割烹店『吉兆庵』の懐石料理。

タケノコやフキ、鰆と言った春の旬をふんだんに取り入れた食材がメイン。

「・・・俺の妻だと言う自覚はないか?まだ・・・教え込まれたいか?美晴」

彼は不埒な視線を私を向ける。

「…いえ・・・」
彼の底なしの欲望に全身が震えた。


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