妊娠前提マリアージュ~強面の海運王の身ごもり妻、赤ちゃんの誕生日が二人の離婚予定日~


~匡貴side~
一年前、アメリカのカリブ海のクルージング会社として有名な『ロイヤルクルージング』を買収。
我が社はクルージング運営にも乗り出した。
父が始めた事業を俺が引き継ぎ、ようやく実現した。
『ブルーラグーン』は『ロイヤルクルージング』が所有する巨大な豪華客船の一つ。

我が社の所有となり、初めてのテスト航海を終え、横浜に帰って来た。
このまま暫く横浜港に停泊して、俺と美晴の挙式披露宴を行い、初めての本格的なクルージング旅行へと出向する。行き先はアメリカ西海岸。
『ブルーラグーン号』は、ドレスコードが必要な日もあるセレブ船として有名だったがゴージャスな内装と客室はそのまま残して、大衆向けにアクティビティな施設を増やし、大人も子供も楽しめるように工夫した。

モニターとしてクルージング旅行を体験した人達の評判も上々。

来週、船内でも一番大きなホールを貸し切り、『スコール』がホームウェア&ランジェリーのファッションショーを行う。

俺は間宮と一緒にショーのリハーサルを見学する為、足を運んだ。

「…ようこそ…凪良社長」

俺達を出迎えたのは氷室社長だった。

氷室の顔を見ると嫉妬のキモチが溢れる。

見た目と優美な立ち振る舞いに女性は騙されている。

氷室もまた俺と同じで素顔は獣。
強面の俺は見た目通りだと言われるが、彼は意外だと思われているらしい。

美晴もまた…俺よりも氷室を気にしていた。

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