オーケストラに所属してプロのヴァイオリン奏者として活動する朋美。
音楽は大好きだし仕事に情熱も愛情もあるけれど、誰かの特別になりたいともがく日々のなかで、友人繋がりで紹介してもらった希望のような存在。
東大医学部を卒業後、大学院に在籍しているという魁の夢。

「夢が、あるんですか?」
「そう、タイムふろしきとか作れたらいいなあって思って」

これは、変人だわ。
朋美は血の気が引くのを感じる。

いくら彼女がいない独身でも、外見がよくても、東大卒の医者でも、大学院生で、時間を戻す風呂敷をつくりたいなんて言う不思議な人は無理よ!

過去も未来もいらない。今この瞬間が愛おしいだけ。だから今。今、ここにそれが欲しいだけ。懐かしいそれ。過ぎ去った、永遠に奪われた、決して失いたくなかったもの。
ねえ、あなたが取り戻したいものって、何?

「もしも、指が動かなくなったら、あなたの作ったタイムふろしきで治してちょうだい」




*エスプレッシーヴォ、いつかのエチュードで登場したキャラクターたちが登場します。
このお話だけでも楽しんでいただけるように書いていますが、エスプレッシーヴォ→いつかのエチュードで読んでいただくと、よりキャラクターの個性などが楽しめてよいかもしれません。

*週1程度で更新していく予定です。お付き合いいただけましたら嬉しいです。(2021.09.05~)

あらすじ

20代後半に入って続々と友人たちが結婚していくなかで恋人すらいない朋美。
結婚につながるような誰かの特別になりたいと、友人繋がりで医師免許を持つ男性を紹介してもらうも、その男性、魁はまだ大学院生であり、夢は「タイムふろしきとかつくれたら」という。
変人と思うも、彼と会って話をしていくうちに、自分も素を出すことができ、一緒にいる時間を楽しめるようになるが…

目次

この作品のキーワード
医者  音楽  医師  切ない  シリアス  婚活  大人の恋  アラサー  学生  ときめき