【完】好きだからそばにいるんだよ
恋人って?
朝日が好き。私に最高の目覚めを与えてくれる。







暖かい光を浴びながらぴよ吉さんのぬいぐるみをギューッとしてから起き上がる。








ココアを飲んでホッとひと息。制服に着替えてたら忘れ物がないか確認してパンを食べながら登校する。







これが私の朝のルーティン。







「ぴよ吉パン美味しい〜」







「日和またパン食べてる」







「みかっちおはよう」







「たまには野菜食べないと肌、荒れるよ?」







「つーちゃん!もぐもぐ」







「パン命の日和には何言ってもダメだよ」







「りーちゃん。おごご!」







「食べながら『おはよう』言わないでよ...」






ゴクン






「ごめんねりーちゃん。おはよう」







「おはよう日和」







無邪気な笑顔で朝の挨拶をしたこの子は中原 日和(なかはら ひより)。高校2年生の女の子。







日和の実家は両親が営むするパン屋さん。幼い頃からパンに囲まれた生活をしている為、パンがなきゃ生きていけない。








友人から密かに『パンバカ』と呼ばれている。








「パンばかり食べて太ったら白矢くんに嫌われるよ?」







つーちゃんこと、紬(つむぎ)が日和を指摘した。








「いや、もう遅いでしょ」







「凛(りん)、あたしもそう思ってたよ...」








「だよね美華(みか)。白矢くんは何で日和を選んだのか不思議でしょうがないよ」








凛がそう言うと、紬と美華は同時に頷いた。

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