地味子な私が猫被りな御曹司と無表情な同級生に溺愛されています。

どこかで会ったことありますか?

「…真彩。屋上から出ろ。」

華杉くんは神谷くんを呼んだ声とは全く違う優しい声で私に言った。

「え…」

なんで?

私が困惑していると

「ちょっとそいつと話があるんだ。」

と、言った。

そうなんだ…

「俺は話すことないんだけど…」

「お前は黙って真彩を離せよ。」

そう言われると神谷くんはすぐに私を離した。

私は駆け足で屋上から出た。

私はどうすればいいんだろう…

とりあえず階段に座って待っておくことにした。

数分すると屋上のドアが開き、凄いスピードで神谷くんが階段を降りていった。

え?え?

私がポカーンとしていると続いて華杉くんも出てきた。

「…真彩。」

私を呼ぶ華杉くんの声は優しくて少し甘いような気がした。

「あ…華杉くん、話は終わったの?」

「…あぁ。」

何の話をしてたか分からないけど華杉くんが来てくれてよかった…。もし来てくれてなかったら怖くて泣いちゃってたかもしれない。

「…お前すごいな。」

「え?何がですか?」

「顔。お前みたいな顔初めて見た。」

私がブスすぎるってこと?

「お、お見苦しいものを見せてしまってすみません…」

「?なんでだ?むしろ俺はずっと見てたい。」

そう言って私の顔をジッと見てきた。

顔に熱が集まるのが分かった私は咄嗟に顔をそらした。


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