日陰のベンチで、あなたに会いたい
日陰のベンチでの出会い ~洸の場合~

自分の見た目の良さを自覚したのは、小学生の頃だった。

確かに小さい頃から良くかわいがってもらえているという印象はあったが、異性にモテ始めたのは小学校中学年くらいの時からで、その頃から女子がよく周りにいた。

望んでもないのに、周りにいつも女子が侍るのにうんざりしたのは思春期の中学二年。

その頃から、一人になる時間がほしくて、空き教室や人目につかないところで休むのが習慣になった。

そして、その習慣は高校に入学してからも続いた。

その場所を見つけたのは、入学して一か月半がたった頃だった。

校舎からは死角になっていて、かつ日の当たる場所。

すぐ近くの倉庫のような建物の裏にはベンチが置いてあるが、そこは校舎から少し見えてしまう。

この快適な場所に人が集まってしまう可能性を避けたかったのと、日陰よりも日向の方が僕には心地よかったことからベンチではなく、コンクリートに直接腰を下ろしている。

まあ、野外だから年中快適とは言えない。

夏は、周りに木など緑がたくさん生えているから虫が出るし蚊にも刺される。
そんで、コンクリートだから太陽光に熱せられて熱くなる。

もちろん冬の野外は寒くて快適とは言えない。

春などちょうどいい時期にはその場所は僕にとって最高の場所だ。

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