天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~

八咫烏の悲劇

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「魔帝陛下、八咫烏の娘が魔気病で残り僅かの命だとか」


八咫烏のあの女が魔気病になったと魔后が言った。


私は興味なさげに政務にとりかかる。


「そうか」


あの完璧だった我が息子が愛した女か。


それが死ぬのだ。


紅蓮は傷つくだろうがそれも皇太子の経験として必要なのだ。


魔帝になればどれだけ親しい者も疑い必要であれば蹴落とさねばならない。それが魔界の上に立つ者なのだ。


八咫烏の娘のために神籍破棄をしようとする紅蓮を見て、まだまだ経験が足りないと感じた。


法術は完成していても精神は、まだ皇太子のままだ。あれではとても魔帝など就けない。



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