フォンダンショコラな恋人
13.インフルエンサー
「コーヒー……はこの時間ダメよね。ロイヤルミルクティーにしましょうか?」
陽平がこの前パンケーキを作った時の残りのミルクがあったはずだ。

陽平が冷蔵庫を開けて、牛乳パックを出すのでキッチンで翠咲がそれを受け取る。
陽平の妹だという愛梨沙はその様子をダイニングテーブルに肘を付いて見ていた。

「なにそれ。そんな素敵なものが出てくるだけでも価値があるわ」
価値がある、とは翠咲のことだろうか。

「愛梨沙」
「なによ」

厳しく妹を注意する陽平がお兄ちゃんになっていて、翠咲から見ると、とても微笑ましくて笑ってしまう。

すると、それを目敏く見つけた陽平に憮然とされてしまった。
「なんだ、翠咲まで」
「だって、陽平さんがお兄ちゃんなんだもの」

「躾がなっていなくて、本当に申し訳ない」
「仕方ないわよ。まだ若いんでしょうし」

そう言って、ミルクパンで作ったミルクティをカップに移して、翠咲は愛梨沙に差し出した。

それを受取りながら、愛梨沙は翠咲に言う。
「私21歳よ」

翠咲はそれを聞いて思わず目を見開いた。
あまりに可愛らしいけれど、成人していたとは驚きだ。高校生くらいかと思っていた翠咲である。
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