私は天使に侵されている
失敗と逆鱗
「来夢様~!」
「いつ見ても、カッコいい~!」
「ありがとう!」
今日は大学の来夢のファンのみんなに誘われ、公園に花見に来ている来夢と美麗。
さっそく来夢は、ファンに囲まれてしまう。

「来夢、人気者だね……」
また心がモヤモヤしていた美麗。
ボソッと呟いた。
「美麗ちゃん、またヤキモチ~(笑)」
「あ////いや、その…ご、ごめん…なさい////」
そんな来夢を見ながら健悟が言ってきた。

「なんか、令子ちゃんがいないからかな?
かなり群がってるな!」
そこへ、来夢と健悟の同級生・明博が話に入ってくる。
「そうなの?」
「うん、令子はファンの連中を来夢に近づけないようにさせてたから」
「そうなんだ……」
「美麗ちゃん、来夢に抱きついて“私以外の女の子を見ないで!”って言いに行ったら(笑)?」
「そんな…////」
「俺だったら、好きな子にそんなことされたらなんか可愛いなって思うよ!」
「………/////そんな、恥ずかしい/////」
健悟に言われ、つい顔を赤くする美麗。

「…………////
美麗ちゃん、 向こうで飲まない?」
明博が美麗の手を握って言った。
「え……明博くん?」
「可愛いね////美麗ちゃんって。
背ちいせーし、童顔だし、手もちっさ!
ほんとに27歳?」
「そ、そんな…」
「明博!やめろよ!
来夢が気づく前に、美麗ちゃんを離せ!」
健悟が明博の手を掴み言う。

「ちょっ…健悟!いてぇよ!」
美麗の手を離す、明博。
そして健悟は明博に耳打ちをした。

「気をつけろよ?
美麗ちゃんは、来夢の“逆鱗”なんだから」

「わ、わかったよ……」
健悟の雰囲気に、明博はブルッと身体を震わせた。
< 43 / 66 >

この作品をシェア

pagetop