思っていたのと 違うのですか‼︎
第0章


雲一つない青空を眺めていた。
これが雨でも降っていれば、情景的に最適なのに、気持ちとは裏腹の晴天。
 街と空の狭間を眺めながら、私 須藤 智美(すどう ともみ)は電源の入っていないスマホを握りしめていた。

 遠くから微かに聞こえる車の音や鳥の囀り、木々の音を聞きながら、
「どうしようかなぁ」と小さく呟いた。
 普段の私では考えられない程の衝動的行動に出た事は重々承知していた。
 石橋が叩いて割れる程慎重かつ準備万端とまで言われながら26年生きてきたつもりだった。
 緻密な計画を立て実行する予定が、何がしたいんだ‼︎と自分の頬を叩きたい程中途半端で逃げ出してきた。
 これぞ、人生初体験!
なんて自分に突っ込んでは見るものの乾いた笑いしか出てこない。次の一手を考えなければ。
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