思っていたのと 違うのですか‼︎

6-1

 「着いたぞ」

 旦那様が車を停める。

ここが有名な高級旅館【淡路】。
中居さんがずらっと並んでお出迎えかしら。

ワクワクしながら、降り立つ。

大勢のお出迎えはなく、がっかりです。

迎えにきた青年に「元気だったか?」と声をかけながら、鍵を渡す。

 仲がよろしいんですね。

当日、行く直前に部屋が取れるのですから、当然と言えば当然なのかもしれません。

 入り口から
「いらっしゃい!思ってたより早くてびっくりしちゃった!」
と元気よく着物姿の女性が飛び出てきた。

 抱きつく勢いで、旦那様の元へ駆けていく。待ち人来るって感じかしら。

 華やかなでも上品で派手すぎない着物。

それだけで、彼女がこの旅館の人間だと物語っている。

 若女将かな?

嫁か娘かだけで、大きく違うが、女連れのお客様に、駆け寄るのはいかがなものか。

正直、気分がいいものではないが、私には文句を言う資格はない。
うん、重々承知です。

 辺りはすっかり暗くなっている。
山の中というだけで、少し肌寒い。

 腕を摩りながら、
男性スタッフは、男衆(おとこし)さんだったかな?と考えていると、
「行くぞ」と旦那様に声をかけられる。

< 31 / 108 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop