朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
私達の幼少期 side泉

ー小麦粘土の思い出ー

京の自宅は、長谷川家のはなれにある。

門をくぐり中に入ると、重厚な濃い赤茶色のタイルを重ねた母家とは別に、はなれへの小道が続いていて、完全に独立したはなれが建っている。

このはなれは、京の曽祖母様が生前に住むために建てられたものだ。

曽祖母様は可愛い物が大好きだったらしく、外壁は淡い茶色のレンガを積み重ねた、お菓子の家のような造りになっている。

童話の中に出てきそうなその建物は、時を経てさらに趣が深くなっていた。

曽祖母様が亡くなられた後は、孫にあたる雅伯母様や京のお父様が、大学在学中から結婚までの一人暮らし期間をここで過ごした。

住む人が入れ替わるたびにリフォームを施しているので、中はいつも新しい。
そして、その時住む者の好みにリフォームされている。

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