朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
言葉の魔法 side泉
その後、私は1人でバンクロのブースへ戻った。
今からヘアメイクをするらしい。

京との撮影会で私がするメイクと違って、もちろん本格的だ。
それも、イズミだけど花嫁メイクなのだ。

「あなたが泉さん?
初めまして。ヘアメイク担当の川田亜希です」

「あ、はい! 朝倉泉です。
よろしくお願いします!」

この人が亜希さん。
綺麗な人だわ。大人っぽい。

「フフフ、まさか私が本物の双子戦士イズミのヘアメイクをするなんて!
とっても光栄だわ〜」

「いや、本物じゃ……」

……私、本物なの??
まだピンと来ない。

「実は私、1stステージをリアルタイムで見てたの。この歳だけどね。
あの頃って、大人でもドキドキしながら毎週楽しみに見てた人多いのよ?
双子戦士」

「そ、そうなんですか? 」

子供達だけじゃない。
映画化されて全世代に受け入れられていた事はもちろん知っている。
亜希さんもその1人なんだ……

「泉さん、ナコちゃんの親友なのよね?
達矢から聞いたの」

「はい。もう物心つく前からずっと一緒にいます」

「ナコちゃんにあんな格好をさせてしまっている理由も、もちろん知っているのよね?」

亜希さんが申し訳なさそうに言う。
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