ボトルメール
「だからか?」
「いや、だからって訳では無い。でも、結果としてダメなんでしょ?」
「いや、高校は普通の所に行けって、九州行くのは大学にしろって」
「…そっか。じゃあ、そうしようかな。それに、そもそも芽吹さんにもそう言われた。『急ぎたいのはわかるけど、そんなに焦る必要は無い。それに、僕がいる。』って」
やっぱりそうか。俺は楓が頑張らなくても彰が助かるって信じている。芽吹さんには申し訳ないけど、頑張って欲しい。
「…そうだったんだ。じゃあ、四年後にまた会おう?」
「って言ってもまだでしょ?」
楓は笑いながらそう言った。
「まぁ、そうだね。とりあえず彰のことは任せてよ」
「俺は幼稚園児かよ」
俺たち三人は顔を見合わせて笑った。
そして、俺は暗くなるまで大好きな二人と大好きなバスケをした。
それはそれはとても楽しかった。
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