ボトルメール
「いや、待て。そんなの彰が決めることじゃないだろ」
俺はとても嬉しいのだが、楓はそれでいいのだろうか。ちらっと楓の方見ると楓の顔が赤くなってた。
「私は出来ればそうしたいけど…俊はいい?」
俺の方をキラキラした瞳で俺の方を見てきた。
「俺は…いいけど。」
俺が今、どんな顔をしているか。その答えは楓と同様に赤くなっている。自分でもわかるくらい顔が熱かった。
「というか彰。知ってたの?」
俺の頭の中が整理し切れてない状態で、楓が彰に自分の好意の相手が俺であることをなぜ知っているのか理由を問いつめていた。
「そりゃ見てれば分かるさ。中学の頃だって佐伯と仲良くしてた俊を嫉妬の眼差しで見てたからなー」
彰は楓にからかうようにそう返していた。
「あ、そういえばくるみちゃんは何してるの?」
「佐伯ならまだ高校生だから寮にいると思うぜ」
「あ、もう引退の年か。そういえば、俺たちの代結構強かったよな」
「そうだな。特に俊がな」
それから俺たちは芽吹さんのところに来ていることを忘れ、高校生の頃の話や、中学の頃の話をたらふくした。
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