ボトルメール
気がつくと時刻は三時を回っていた。
「あ、すみません。長話してしまって…」
芽吹さんはそんな俺たちの様子を微笑ましく見ていた。
「いや、いいんだよ。とにかく彰くんの言う通り、楓ちゃんが暮らす必要はないから。自由に過ごしな」
「そういえば、芽吹さんはこれからどうするんですか?」
俺は純粋な疑問を芽吹さんに投げかけた。すると芽吹さんは少し悩んでいる様子だった。
「まだ決まってないけど、多分お父さんの手伝いとかするかな」
「そうなんですね。頑張ってください」
俺達は芽吹さんには頭が上がらない。そう思い、俺はちゃんとお礼をするために立ち上がり頭を下げた。
「本当にありがとうございます」
芽吹さんはノーベル賞とか受賞してしまうだろうか。なんせ、難病を治せる薬を作ったのだから。
「いや、当たり前のことをしただけだよ」
そう言った時の芽吹さんの姿はとてもかっこよかった。
俺もこんな大人になりたい。そう思った。
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