相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
戸惑い
彼の声音を訊いて、一発で私の妊娠を知ったんだと理解した。

私は通話を切り、軽く息を吐いた。

「その顔はバレたのね…」
私の隣で電話を訊いていた上村さんが呟く。
「…うん」

安定期まで隠し通せるワケないと最初から思っていた。
「まぁ、でも・・・自分の子供だし…遥先生の妊娠。槇村先生だって、喜んでくれるわ…」

「…そう思いたい…上村さん…少し間、居なくなるけど…後は宜しく…」

「任せておいて…ちゃんと話するのよ…」

「うん」


私は上村さんに励まされ、NICUを出た。


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