相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
悲しい結末
手術日前日。
まずはラミナリアで子宮頚管を広げる処置が行われる。

「…これを飲んでくれ」

奏弥さんが渡したのはロキソニンだった。個人差はあるけど、ラミナリアの挿入は痛いらしい。

「・・・大丈夫よ…我慢します・・・」

「…遥…そこまで痛みに我慢しなくても…」

「私の好きなようにさせて…奏弥さん」
彼は口を噤んだ。

「!?」

次の瞬間、ロキソニンを口に放り込んで、ミネラルウォーターを飲んで、カラダを屈めて、私にキスを落として来た。

奏弥さんは口移しで私のロキソニンを飲ませた。

「…俺は遥に痛い思いをさせたくないんだ…それぐらい分かれよ…分からず屋」

「奏弥…さん」

「心は十分痛いだろ?カラダにまで負荷を掛けるな…」


それはお互い様。

奏弥さんの良心だって痛いはず。

「奏弥さんだって…同じでしょ?」

「・・・そうだな」

彼は私を優しく抱き締めた。

「私が勝手なコトをしたばかりに…」

私は彼の心を傷つけてしまった。

こんな悲しい結末を望んだワケじゃない。

家族三人での幸せな日々を願っていたのに・・・

彼にこんなコトをさせるなんて…








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