相思相愛マリアージュ（後）～君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です～

二人の絆

奏弥side~

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俺は遥の心のケアを高校時代の後輩・各務さんに任せた。
遥の経過を訊きに、心療内科外来の診察室を訊ねる。
「遥先輩の治療は順調に回復していますが…槇村先生は大丈夫なんですか？」

「俺??俺は別に…」

「…院内のウワサですけど…遥先輩の胎内で亡くなった赤ちゃんを処置したのは槇村先生本人だと訊きました」

「…まぁ~そうだけど…」

今まで一番辛い中絶手術だった。

「でも、俺よりも遥の方が肉体的にも精神的にも辛かったと思う」

だから、鬱になりかけた。

こうして、短期間で立ち直り、仕事に復帰した。
それは見せかけだけかもしれないが。

「・・・俺の比じゃないと思う…」

「槇村先生…」

「・・・俺は大丈夫…それよりも・・・各務さんなら、知ってるよな・・・」

「何をですか？」

俺から彼女の気を逸らす為に問いかけた。

「遥の元カレ…」