「えっ、やめたんですか? 堂島くん」

 職場であるF町の図書館に出勤すると、課長の杉山さんが慌てた様子で駆けよってきた。

「そうなのよ。それで、急なことで悪いんだけど、尾崎さん、今日遅番も入ってくれないかしら」

「別に構いませんけど」

「ありがとう、助かるわ。じゃあ、よろしく頼むわね」

 ほっとした表情をうかべた杉山さんは、あたふたと事務室に消えていった。

 堂島というのは、今春、新卒で入ったばかりの正職員。

 何があったんだろう? いったい。