みうとうみ               ~運命の出会いは突然に~
第8章 もう一度会いたくて
 唯一の連絡手段だったLINEはブロックされていた。

 もう一度だけ会いたかった。
 会って謝りたかった。

 一度口から出た言葉を消し去ることはできない。
 それはわかっていたけれど、あのとき見せた大洋の顔が、脳裏から離れない。

 いつもの澄んだ瞳が嘘のように濁って、絶望に沈んでいた。

 とにかく、謝りたかった。

 そしてあなたは大切な人だと、そのことだけを伝えたかった。

 わたしが夢中になって自分を見失ってしまうほど、大切な人なのだと。



 それから数日、偶然に出くわす可能性に賭けて、仕事の帰りに駅の改札の前に立った。
 2時間ほど改札口から流れ出てくる人びとの顔をじっと眺めていた。

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