激情に目覚めた御曹司は、政略花嫁を息もつけぬほどの愛で満たす

そう問い詰めたくなるのをなんとか抑え込むよう冷静になれと自身を叱りつけても、じわじわと心を蝕む醜い嫉妬心に抗うことは出来なかった。

「じゃあ、保育園の外に出たら必ずつけて」
「うん」
「仕事の時以外は外さないで」
「うん」

素直に颯真の言葉に頷いてくれる千花の頬を両手で包み、潤んだ瞳で見上げてくる彼女に啄むようなキスを何度も落とす。

「職場で結婚してること話しておいて」
「う、ん…っ」
「他の男に隙きを見せないで」
「ん…っ、あ、…っ」

千花が抵抗しないのをいいことにそのままゆっくりと押し倒し、徐々に口づけを深めていった。

「ちゃんと理解して。もう君は俺のものだって」
「颯くん……」
「誰にも渡さない。俺だけの……」

細い手首をシーツに縫い付け、深く口内を貪る。唇を小さな耳朶に寄せて熱い吐息を吹きかけ、そのまま軽く歯で噛むと、千花の身体はびくびくと跳ねた。

「千花、千花…」

剥き出しになった独占欲を隠しもしないで、目の前の身体を蹂躙する。

ほんの半年前までは無垢だった身体。今や颯真の教えたとおりに反応し、さらにはこちらを否応なしに煽ってくる。

これまでにない激しさに戸惑っていた様子の千花も、いつしか颯真の首に手を回し、もっととねだるような素振りを見せた。

それに応えるように幾度も激情を交わし、千花に教え込むように愛を注ぎ込んだ。




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