激情に目覚めた御曹司は、政略花嫁を息もつけぬほどの愛で満たす

「いや、伝わってるだろうって過信して言葉にしなかった俺が悪い。これからは、全部ちゃんと言葉でも伝えるから」
「颯くん」
「好きだよ、千花。頼むから、二度と外さないで」

元通り薬指に収まった指輪に唇を寄せ、ちゅっとキスをしながら上目遣いに視線を向けられた。その壮絶な大人の色気と甘さに耐えきれず、千花はぎゅっと目を閉じる。

「…千花?」
「もう、心臓が限界……」

再会してから何度も言ってもらった言葉。
ずっと欲しかった颯真の心。

「颯くん、好き……」

千花は小さく呟く。もう言わずにはいられなかった。

「颯くんが好き、大好きです…」

左手を彼に取られたまま、意を決して目を開けて視線を合わす。颯真のなぜか驚いた顔を見ながら、千花は自分の気持ちをゆっくりと伝えた。

「ずっと…お姉ちゃんの代わりだと思ってた。颯くんは優しいから、それでも結婚した以上、私のことを大事にしてくれてるんだって…。だから、私も颯くんの妻として家事もちゃんとして、仕事して自立して、頑張って…いつか颯くんに釣り合う奥さんになれたらって…っわ!」

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