王子達は公爵令嬢を甘く囲いたい
 
 え…

 「なぜですか?」
 
 「国の法律で兄妹・姉弟は筆頭婚約者になるこ
 とが定められているんだ。だから、婚約可能と
 なる5歳になったらおまえたちは婚約してもら
 う。」

 僕がアンジュと…?いや、ちょっと待て。筆頭婚約者…?それって─

 「筆頭婚約者って、もしかして─」

 「あぁ、最低5人と婚約、もしくは結婚するこ
 とも定められているんだ。」

 僕のアンジュが…?他のヤツとも婚約だって…!

 「10歳のデビュタントまでに他の婚約者も決め
 ないといけない。」

 「な、なぜですか!」

 「それはアンジュだからだ。」

 アンジュ、だから……?

 「アンジュはとてもいい子だ。全ての男が憧
 れ、焦がれるほどに。」

 「!!」

 そうだ。世の中の女の子はあんなのだ。

 だから、天使のようなアンジュは狙われるだろう。そして何より、容姿も天使のように可愛らしいし。

 「なるほど…。他のヤツもアンジュと婚約する
 なんて正直すっごく嫌ですが…。分かりまし
 た。それで?僕は何をしたらいいんですか?」
< 6 / 40 >

この作品をシェア

pagetop