私の周りにヤンデレしかいないんだが
マイペースな人の本音
その翌日、私はお昼休みに中庭でお昼を食べていた。一人で。

いつもは教室で雫ちゃんと話しながら食べる。でも今日は、雫ちゃんが家の用事で休んじゃったから一人だ。

お弁当を食べ終わり、芝生の上にゴロンと寝転がる。お嬢様だったら絶対にしない行動だ。お金持ち学校の綺麗な制服が汚れるけど、庶民だから気にしない。

風が気持ちよくて、うとうとしてしまう。昨日は夜遅くまでドラマを見ちゃってたからな……。

「おい、美紅」
(襲うか)

「ふえっ!?」

とんでもない心の声が聞こえたため、貞操を守るために慌てて飛び起きる。目の前にあるのは、ふわふわの黒い髪に華やかな顔立ちの男子の顔。三年生でこの学園の生徒会長、胡桃蒼(くるみあおい)先輩だ。

「蒼先輩、こんなところに何しに来たんですか?」

体を起こして訊ねると、「お前と同じ目的。昼寝」と返ってくる。蒼先輩は庶民じゃなくて御曹司ってやつなのに、プライドがとても高いわけでもなく、庶民の事情などを一番知ってるから話しやすい。
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