Stargazer
そんなあたしたちは何の縁か今、交際している。亮太の方から告白されて、知り合ったばかりの男と付き合うよりはいいかと思ってOKした。好きかどうかはわからないけど、一緒にいて落ち着く相手かもしれない。……亮太が暴走しなきゃだけど。

今日はお互いに非番で、プラネタリウムとショッピングモールへデート兼あたしの上司の結婚祝いを買いに来ている。久しぶりのデートだからか、亮太はいつも以上にニコニコしていた。

「……ねえ」

プラネタリウムを出て歩く中、あたしは気になったことを訊ねる。何年も一緒にいて、唯一彼のことで知らないことかもしれない。

「何でさいだん座が好きなの?誰もが知っている星座ってわけじゃないのに」

隣を歩く亮太は、「理沙(りさ)でも俺のことで知らないこと、あるんだね!」と嬉しそうに言いながら理由を教えてくれた。

「俺の誕生日の誕生星がさ、さいだん座を構成する何とかって言う星でさ、その星言葉が好きなんだよなぁ〜。何か、俺の人生そのものって感じで!」
< 10 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop