異国の地での濃密一夜。〜スパダリホテル王は身籠り妻への溺愛が止まらない〜

新しい地で愛を囁く

　ゆっくりと自動ドアが開き、マンションのコンシェルジュさんに「こんにちは」と私は挨拶をした。カードキーでドアを開けエレベーターで二階まで登る。203号室の鍵を開けると「おかえりー」と明るい声が出迎えてくれた。母の声だ。


「どう？　赤ちゃんは順調だった？」


　母は心配そうな視線を私に向けてくる。


「うん。もう安定期にもはいったから来月あたりには性別がわかるかもって先生が言ってたよ」


　少し大きくなったお腹を優しくさすった。もう普段から無意識にお腹をさすっているみたいで、総介さんによく言われる。


「そう、楽しみね。男の子でも女の子でも二人の子供だもの、相当可愛い子が生まれるわよ」


「ふふ、そうだね。総介さんももう少ししたら帰ってくるって」


「今日はデートだもんね。楽しんで来なさい。私はもう帰るから」


「お母さん、いつもありがとう」


「何言ってるのよ、私だって真緒に散々迷惑かけてるんだからお互い様でしょ」


　母の言葉に胸が熱くなった。