花火大会から数日。亮司くんへの恋心を自覚してしまった私は、頭を抱えていた。


 これまでは何とか受け流させていたアプローチに対して吃ってしまうし、隣に並んで座るのも妙に緊張してしまうし、話し掛けられるとあからさまにビクついてしまう。


 亮司くんはその度、私の体調が悪いのかと心配をしてくれて、本心には気付かれていないのが救いだ。


 そして、そんな今日、突然近くに来たからと美代が尋ねてきた。



「お姉ちゃん久しぶり」
「元気にしてた? ここまで暑かったでしょ」
「暑くて溶けそうだった。私はめちゃくちゃ元気に仕事して遊んでるよ。今日亮司は?」
「仕事」
「へぇ〜」



 美代は部屋をぐるりと見回しながらソファーに座る。


 私はお茶の準備をしながら美代に声を掛けた。



「なに? 亮司くんにも何か用事あった?」
「ないよ。いや、二人とも上手くやってるのかなって気になってさ。私がきっかけみたいなものじゃん」
「まぁ、そうだね……」
「それで? どう? ルームシェアは」



 ルームシェアをする前から、私と亮司くんが知り合いだったことを美代は知らない。


 私は美代に麦茶と、美代が持ってきてくれた苺大福を出し、ダイニングテーブルの向かいに座った。