ふんわり王子と甘い恋♡
8「雑用係」



次の日の1‐3の教室内では、私とヨッコの話でもちきりだった。


フワリくんに結んでもらった青いミサンガを、女子たちが取り囲む。


つまり私の手首を、女子たちが取り囲む。



「こ、このミサンガを……」

「フワリくんが……結んで、くれ、た…?」


「「「……。」」」



手首に視線が、突き刺さる……。



「お、拝んどこう!」

「あやかっとこう!」

「私も!」

「私も私もっ!」



フワリくんが結んでくれたミサンガに向けて、みんなが手を合わせて拝み始めた。


自分の恋も進展しますようにって、私の手首にお祈りしてくる。


そんなにみんながお願いしてくると、私がしたあのお願いが無効になっちゃいそうだから、もうダメ!って手首を後ろに隠したりした。



今となっては私の1番の宝物が、私の手首にしっかりと回っている。


見るだけで胸が一杯になって、フワリくんへの想いが溢れ出してくる。


フワリくんの……細くて長くてキレイな指。


本を読む、真剣な横顔。


色んな場面を思い出してはニヤケが止まらなくて、困っちゃう。

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