「んで、その後は知っての通り。今思えば俺は三年前のあの日、お前に一目惚れしてたってわけだ」



お酒が入っているからか、いつもより饒舌な天音。


自分で聞きたいと言った昔話だったけれど、その半分が私に関連する話で驚いた。


私は三年前のあの日から、もう会うことはないのだからと、ずっと忘れよう忘れようと思っていたのに。


天音は、忘れたくても忘れられなくて苦しんでいたなんて。


それに、天音が傑くんに嫉妬していただなんて。


私に、一目惚れをしてくれていただなんて。


そんなの、全然知らなかった。



「だ、って、今の話だと、天音はどこかの令嬢と結婚するんでしょう?なのになんで私をずっと……」


「それが最近知ったんだけど、親父は俺に恋愛結婚して欲しいんだと。だから見合いなんて全く考えてないらしい。ここんとこ早く婚約者を連れてこいってうるせぇんだ」



俺の勝手な思い込みってやつだ。そう笑った天音に、どうしようもなく胸がざわめく。



「……だからさ、どう?俺と結婚前提で付き合わない?」


「けっ……え、あ、えぇ!?」


「ははっ、動揺しすぎ。言っただろ。俺は唯香を口説き落とすって」


「そう、だけど……結婚って、そんな、私まだ二十五だしっ……」



突然のプロポーズ混じりの告白に、私はしどろもどろになって自分でも何を言っているのかわからなくなる。



「俺のこと、嫌いか?」


「そんなわけっ……!」



思わず声を荒げそうになってしまい、慌てて口を手で塞ぐ。


そんな仕草すら、天音のツボに入ってしまったのか頭を優しく撫でられた。



「そんな可愛い反応すんなよ。今すぐ押し倒したくなる」


「なっ!?」



言われ慣れない言葉に、簡単に動揺してしまいすぐに赤面してしまう。


天音もそれをわかっているからか、楽しそうに笑うのが恨めしい。