「加賀美くん、いまどこ?!」

『時計のところだよ。でかいのがあるだろ。見えるか?カウンターの近く』

「あー、あっちか!ちょっと待ってて」

翌朝余裕を持ったつもりが1本乗り遅れ、そこから乗り合わせが悪くだいぶ遅くなってしまった。

私が見えたのか向こうから手を振る加賀美くんが見えた。
私も手を振り返そうとするがキャスターが私の心と同じように空回りしてしまいガタガタしている。肩からかけた鞄もあり私は急ぎたいのに急げない。
慌てた姿の私を見かねて加賀美くんの方から近寄ってきてくれた。

「まだ大丈夫。余裕があるから焦るな」

「ごめんね。もっと早く着くはずだったのに乗り合わせが悪くて、本当にごめん」

「まだ約束よりは早いんだから大丈夫」

私のスーツケースを受け取り、自分の分と2つ押してカウンターに進んでいく加賀美くんを追いかけるように進んだ。

チェックインはスムーズに終わり、2人で搭乗案内までコーヒーを買い並んで座った。

「槇村的にはどんなふうにしたいか少し案が出てきた?」

「私は漠然とリゾート感のある趣にしたいと思う。沖縄という場所だからこそ南国要素を出したい。でも旅行疲れがないようにマッサージとかを取り入れたいかなって。託児をつくって夫婦2人の時間を作るとか、子供サービスの日を作れるよう何かオプションのツアーを作るとかさ。でもこういうのってやってるところもあるじゃない?旅行の翌日から疲れが残らず仕事に行けるようにするにはどうしたらいいのかなって思ってさ。そこを踏みこんで考えたいなぁ」

「なるほどな。たしかに男からすると家族サービスしなきゃならない、と気負うところがあると思うんだよな。けどそれで疲れたら悪循環。楽しかった、明日からまた頑張るぞ!となる旅行にしたいんだよな」

「そうだね。ホテルの中で色々できたら楽しめて疲れも取れていいよね。なんだから考えるだけでワクワクするね」

「まぁな。でも荷が重いよな」

「それはあるね」

2人で顔を見合わせ苦笑いをした。

「ま、ひとまず現地を見てこよう。近くに何があるかも散策して回ろう」

「そうだね」

私たちは一路沖縄へ出発した。