「専務!?どうなさったんですか!?」


「すみません!ちょっと急用!急ぎの仕事は無いはずだから後は来週やるんで!」


「ちょっと専務!?」



秘書の止める声も無視してエレベーターに飛び乗り、そのまま車に乗り込む。


舞花からの連絡に、これほど車を飛ばしたこともない。


ここからならさほど時間はかからないから焦る必要などないはずなのに、初めてのことに緊張してしまってどうしてもアクセルを踏む足に力が入ってしまう。


落ち着け。別に何かあったわけじゃない。ただお迎えに行くだけだろう。


深呼吸をしてから向かう先は、隼輔が通っている託児所だ。



「あ、の!津田島 隼輔の父ですが……!」



その名前が鷲尾 隼輔に変わる日が待ち遠しい。


そう思いながら保育士に自分の名前を告げると、



「はい。津田島さんからお話伺っております。隼輔くん、お部屋で遊んでますのでどうぞ。ご案内します」



そう保育室まで促してくれた。


ホッと一息つきながら恐る恐る部屋の中を覗くと、何人かいる中で隼輔は大好きなお絵描きに夢中になっている様子。


ぐーるぐーると言いながらクレヨンで一生懸命何かを描いていた。


それを邪魔するのも可哀想になってしまいドアの窓からそっと見つめていると、もどかしくなったのか保育士の先生が



「しゅんちゃん、パパがお迎え来てくれたよ!」



と隼輔に声をかけに行く。