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「お先に失礼します!」


「お疲れ様、気を付けて!」


「はい!ありがとうございます!」



会社に戻ることができたのは、隼也に電話してから一時間近く経った頃だった。


雑務を急いで終わらせて、隼也に連絡を取る。


無事にお迎えに行ってくれた隼也は家で隼輔に夕食を食べさせて遊んでくれていたらしい。



『隼輔、ママを迎えに行くぞ』


『うん!』



電話口から聞こえる声に安心して思わず頬が緩む。


そのまま自社ビル前で待つこと十分。


見慣れた車の後部座席には眠ってしまった隼輔の姿が。



「舞花、後ろ乗ってやって」


「うん、ありがと」



隼輔の隣に乗り込むと、穏やかに寝息を立てている頬をそっと撫でる。



「……ごめんね、遅くなって」



隼輔の顔を見てようやく一息つけた気がした。



「隼也も急だったのにありがとう」


「ん。俺だって父親なんだから当たり前だろ。これからもこういう日があったらいつでも言えよ。できる限り行くから」


「……うん、ありがとう」



ミラー越しに目が合うと、優しい微笑みが返ってくる。


そのまま隼也の家に向かい、眠っている隼輔を起こさないようにそっと家の中に入って寝かせた。