猫目先輩の甘い眼差し


「本当だって! 雷夜先輩も犬カフェ行きますよね⁉」



追い詰められた颯くんが、水を飲む雷夜に助けを求めるように話を振った。


颯くんと初めて会ったのは去年の夏。

『保護猫の里親を探しています』という張り紙を校内で見かけた次の日だった。


子猫を引き取りたいけど、知識がないから、詳しい人に話を聞きたい。

そう生物室の入口で一生懸命説明してて、協力してあげたいと思い、連絡先を交換。

それから交流が始まって仲良くなった。



「あぁ。犬種によって性格も違うし、勉強になるからよく行くよ」

「ですよね⁉ ほらぁ、先輩もこう言ってるぅ」

「ふーん、そういう楽しみ方もあるんだ」



トラ美ちゃん色のカーディガンを買うくらいだから、浮気の心配はなさそう。

だけど、臭いでバレたら怒られるかもしれない。


帰ったら必ず消臭するよう助言しておいた。



✾✾



「じゃじゃーん! こないだ撮ったツーショットでーす!」

「可愛い〜! 綺麗に撮れてるね〜」



届いたフライドポテトとからあげを食べながら、颯くんが見せてきた写真を見る。
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