猫目先輩の甘い眼差し


モグモグとプリンを頬張る父に詳細を伝え、自分の部屋に戻った。


お父さんと一緒に見学か……。

ツーリング以外でどこかに出かけるの、何年ぶりだろう。


久しぶりすぎてくすぐったい気分だけど、最後まで楽しめるよう願っておこう。



「あ、返信……っ」



部屋着に着替える途中、市瀬さんに返事をしてなかったことを思い出した。


ファミレス出てすぐ返すつもりだったのに、色々考え込んでてすっかり忘れてた。

既読無視されたって気にしてるかな。


バッグから急いでスマホを出して起動すると、市瀬さんから2件の通知が。


これはまさか……。



【すみません! 間違えて違う写真まで送っちゃいました! 消しておきます!】



ビックリマークがついた謝罪文を読み、画面をスクロールすると……。

数時間前に見たスリーショットの写真だけが、そっと姿を消していた。



「保存しとけば良かった……」



後悔交じりに呟いた後、手を合わせている猫のスタンプの下にお礼の返事を送ったのだった。
< 85 / 312 >

この作品をシェア

pagetop