西岡三兄弟の異常な執着~After Story~
殲滅
「今回はどうして?」
「ん?」
「だって、いつもはパーティー来るなって言うでしょ?」
花苗の不思議そうな言葉。

今日は西岡グループのパーティー。
花苗は基本的に屋敷でお留守番で、三兄弟はあまり連れて行きたがらない。

なので、花苗からすれば不思議でならないのだ。

「今日は特別だ!」
黄河が頭をポンポンと撫で言った。
「……???」
花苗は黄河を見上げ、不思議そうに首を傾げた。

花苗を今日パーティーに同行させたのは、関辺の息子が花苗が屋敷に留守番をしている隙に拐おうとしているという情報を得たからだ。

その事を知っているのは黄河だけで、特に朱雀には言っていない。
それを言うと、問答無用で関辺や家族、親戚を殺して回るからだ。
だから警告にとどめた。

黄河からすれば、関辺一族がどうなろうと何とも感じないが、朱雀が壊れるのは本意ではないからだ。

「会長様、屋田様がご挨拶をしたいとおっしゃってます。あと、これをお渡しください」
「これは?」
「屋田様がお好きな日本酒です。今後の為にも、西岡の名前を知っていただく機会です!」
杉尾が包装された日本酒を渡しながら耳打ちした。

「へぇー、やっぱお前は優秀だな!」
少しだけだが、黄河が杉尾に微笑んだ。

「━━━━!!!!
黄兄ちゃん!!?」
「なんだ?」
「もう、帰ろ?」
「は?来たばっかだぞ!しかもいくらなんでも、俺達がここで帰るのはおかしいぞ!」
「ここにいたら、俺達が汚されるの!
それに今、杉尾に笑いかけたよね?
あり得ない!!
黄兄ちゃんは、俺のなの!!
たかが秘書に笑いかけるなんて、どうしちゃったの!!?」
「だから!俺は杉尾を信用はしてるが、信頼はしてないって言ってるだろ!?
仕事ができるから、信用してるだけだ!」

「壊してやる!!こんなパーティー」

「え……?真白くん?」
「真白!!
そんなに、俺を怒らせたいのか!?」
「いいよ!兄ちゃんか俺だけのもんになるなら!」
< 62 / 73 >

この作品をシェア

pagetop