西岡三兄弟の異常な執着~After Story~
解放
「花苗様は、お子さんとかは考えてないんですか?」

それは水樹の一言から始まった。
「私は子どもができないんです」
「え………」

「水樹さんになら、話してもいいかなぁ」
「花苗様?」
「私、一度だけ……この屋敷から逃げ出したことがあるんです。三兄弟の異常で残酷な行為に耐えれなくて……」
「え……そうなんですね…」

「それで━━━━━」
「え━━━━!!!そんな……酷い……」
水樹は、花苗から話を聞き絶句していた。

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水樹はその日の仕事終わりに、森宮の部屋の前にいた。
ノックをすると、森宮が顔を出した。
「水樹さん?どうされました?」
「少し、お話よろしいですか?」

二人は庭に出た。
「お話とは?」
「花苗様の事です」
「え?花苗様が何か?」

「森宮さんは、ここに来てから長いんですよね?」
「はい。西岡のご当主夫妻がなくなる少し前に西岡電力に入社したので」
「だったら、ご存知なんですよね?」
「は?何がでしょう?」

「花苗様の………」
もう既に、水樹の目から涙が溢れていた。

「水樹さん?」


「花苗様の、流産です」


「…………え?」
「森宮さんは、花苗様が好きなんですよね?
なのに、こんな残酷な事実があって、どうしてあの三兄弟に従う事ができるんですか?」

「それは………」
「それに、もう二度と、花苗様は子どもを授かれないそうではないですか!?どうしてそんな残酷な事が許されるんですか!?」

「水樹さん、落ち着いてください」

「このまま花苗様はここにいても、傷つくだけです!」
「水樹さん!!ちょっと、落ち着━━━━━」


「私は、花苗様は紫苑様との方が幸せになれると思います!花苗様に相応しいのは、紫苑様です!」


水樹は森宮を真っ直ぐ見上げ言い放った。

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