今日から騎士団長の愛娘!?~虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです~
第七章 パパと一緒におでかけ
 ボヤの事件から十日が経ちました。
「アルベルト様、日中にこちらが届いておりました」
 帰宅したパパに、ジェームズが一通の封筒を差し出す。
「やっと来たか。どれ」
 パパは差出人を見るや、すぐに封筒を受け取って開封していく。
 ……なんだろう? いつもの手紙とは明らかに違う反応が気になって、パパの手もとを覗き込んだ。
 あ! これって……!!
 パパが中から取り出した紙は、専門機関に依頼していたボヤの原因となった石の調査結果だった。私はパパが書面を目で追っていく様子を息を詰めて見守る。
 実を言うと、私は既にあの石の正体を知っている。
 ボヤの翌日、『ただの石ではない』という言葉の真意をベルに聞いた。ベルは、『おそらく魔結晶だろう』と見解を述べた。魔結晶というのは魔力を溜めておき、好きな時に引き出して使える便利な道具だそうだ。ベルの世界でもわりと希少なものらしく、本来人間界には存在しないものだという。
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