今日から騎士団長の愛娘!?～虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです～

第三章 パパとの生活はドキドキの連続

　私がパパと一緒に暮らし始めて一週間が経ちました。
　日暮れ時、居間のソファに腰掛けて、チラリ、チラリと壁掛け時計を気にしながら耳を澄ませるのはもう習慣。
　そろそろかな？　うん、きっとそろそろ……。
　――カタン。
　……あ、パパが帰ってきた！
　玄関の方から上がった小さな物音を聞き付けると、私はスックと立ち上がって駆け出した。
　本当は玄関先でパパの帰宅を待ち構えていれば、駆けつけるまでもなくお出迎えができるのだけど、三日目にして他ならぬパパ自身にＮＧを出されてしまったのだ。
　――てててててっ！　なので、四日目からは、短い足で居間から玄関までダッシュしてお出迎えしているというわけ。
「おかえりなさい！」
　辿り着いた玄関で、パパはちょうど羽織っていた外套を外しているところだった。
　よかった。間に合った！　私の狙いは、なにを隠そうあの外套。あれをお部屋に掛けてくる役がしたかった。
　私はこの一週間、良い子でいようとあくせくお手伝いに奮闘していた。