やっぱりそうだ、私は右京に嫌われたんだ。


けれどこんな状況になっても、私は右京の怒りの原因が分からない。分からない…ことにも怒っているのかも。小さい頃から「小鈴は鈍感だ」って言われてたし…。


昨日何かしてしまったのは事実だ。右京は確か、先輩のことで何とかって言ってたよね…。先輩が何だっけ…?



『…好きだって、言ってたろ』



…確かに言った。言ったけど、それでどうして怒ったのか。誤解…誤解ってもしかしてこれのこと?よく分からないけど、この誤解を解けば仲直りできるの…?



「――すーずちゃんっ」


「わっ…!!」



ぐるぐる悩み込んでいると、背後からぽんっと肩を叩かれた。驚いて軽く飛び跳ね振り返ると、爽やかに微笑む先輩が立っていた。丁度いいのか何なのか…。


この登場の仕方も既視感がある。先輩はいつも背後から突然現れるんだよなぁ…。



「今日も浮かない顔してるね、また幼馴染くんの件かな?」


「あ、えと、あの…」



どうしよう、話すべきだろうか。でもこの話にはたぶん先輩も関わって…というか先輩が原因の可能性もあるし…。


おろおろ視線を彷徨わせている間も、先輩はじっと私の瞳を見つめ続けていた。何もかも見透かすような目に狼狽えそうになる。