再会したのは、二度と会わないと誓った初恋の上司
「和田先生ってミスをするたびに人のせいにしているらしい」
「研修医の時にも、自分のミスを指導医に尻拭いさせた過去がある」
「大人しそうな顔をして、保身のためなら何でもする」
「和田先生自身が賄賂をもらいたくて仕組んだことらしい」
聞こえてきたスタッフたちの噂話。

私を誹謗する怪文書が出回り、病院のホームページあてに嫌がらせの書き込みがあった。
噂が噂を呼び、そのうちに何が事実なのかわからない状態になっていった。
もちろん、私は無視を貫こうとした。
悪いことをした訳じゃないのだからと堂々と仕事に出ていたけれど、看護師には無視され、同僚には白い目で見られ、ストレスの限界を迎えた私は倒れてしまった。そして、一週間後仕事に戻った私に居場所はなくて、仕方なく退職届を出した。

初めは少しだけ休んで仕事を探すつもりだったが、1週間が10日になり、1ヵ月が経ち、とうとう部屋から出ることさえ恐怖を感じるようになる。
そのうちに眠れなくなり、食べられなくなり、1日のほとんどをベットの中で過ごすようになった。
もう限界。私、死ぬかもしれない。
そう覚悟した時副院長が現れ、私は命を救われた。
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