週明け月曜日はいつも通り出勤した。

早めに出勤して病棟の受け持ち患者の状態を確認したり、検査や処方のオーダーを出したり、朝からやることはたくさんある。
できるだけ外来が始まるまでに済ませようと私も必死になっていた。

「あ、環先生。お、おはようございます」
「おはようございます」

出勤してきた病棟スタッフに挨拶を返しながら、私はパソコンに向かう。
この時間を逃せば溜まった作業をこなす時間なんてないからと集中した。

「あれ、環先生」
「ぉ、はようございます」

ん?
スタッフの出勤時間をピークを迎えるころになって、私は異変に気ついた。

どうも周囲の様子がおかしい。
みんなが遠巻きに私を見ているような視線を感じる。

私何かおかしな格好でもしたんだろうかと、自分を見回してもどこにもおかしなところはない。
何かあるのと聞こうとしても、スーッと視線を外されてしまう。
おかしい、絶対におかしい。
普段とは違う違和感を感じながら、私は勤務を開始することとなった。