スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜

国王様の印象改善計画





 この実験部屋に足を踏み入れて、いつの間にか窓から差し込む太陽が真上に来ているのに気づいて、随分と長いことここにいることに気づく。


 あれから精霊の声が聞こえないレイの代わりに、私がシュマの言葉を伝える通訳者のような立ち位置で、魔法陣作りに取り掛かっていた。


 床にペタリと座り込み、描かれる魔法陣をレイの隣りで見つめるだけだど、退屈はしなかった。


 シュマも久々に知識を貸し与えるのが楽しいのか、魔法陣作りにのめり込んでいた。


 何度も床に書いてはシュマとの討論を繰り返し、もう少しで完成が近いという所で、レイの動きが止まる。


「そこの文字配列の組み合わせは……あれ?レイ?」


 シュマの言葉を伝えようとそっとレイの肩に触れるけれど、そのまま私の肩にもたれ掛かるように倒れてきた。


 支えきれなくなった私は、そのままレイの頭を自分の膝の上に乗せ、彼の顔を慌てて覗き込んだ。


 どこか具合が悪いのかと心配したけれど、規則正しく呼吸をしながら寝息を立て寝ているのを見て、ほっと胸を撫で下ろす。



「寝ちゃったみたいだね」



 シュマに視線を動かすと、シュマも疲れたのかウトウトしていた。


 二人とも子供のように無邪気にはしゃいでしまったせいで、体力が底をついたみたい。






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