スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜

国王様の広い庭





 カイルさんの提案により、私はレイの馬に同乗することになった私は、お城を出て初めてじっくりとこの王都の景色を眺めることが出来た。


 舞踏会に参加する時にも王都の中を走っては来たけれど、あの時は心の余裕がなくてちっともこの素敵な景色を見てられなかったもの。


 見慣れない街並みにワクワクしている私だったけれど、背中に感じるレイの威圧的空気を感じて、慌てて周囲を見渡した。


 レイを先頭に馬を走らせる視察団を見つけた街の人々は、隠れるように道の端へと移動すると、怯えた目でレイを見つめていたのだ。



「……レイ、顔が怖いよ」



 上目遣いでレイを見れば、今にも周囲を恐怖のどん底に落とそうとするかのような鋭い目付きをしていた。


 その身に返り血を浴び、悪魔と契約していると言われる冷酷非道の国王様と思われている相手の前に立つと、どうやら仮面を被ってしまうらしい。






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