天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~


しかし、ただの憶測で行動は出来ない。確信をもって迫らなければ。


「…」


とにかく調べようと思い朱雀は雪梨の元へ向かった。


「その花瓶はあちらに…筆の位置は間違えないように…」


侍女達に指示を出す雪梨の元に行くと先に侍女達が朱雀に礼をし、それを見て雪梨も朱雀に気づいた。


「侍女長様」

「朱雀。どうしたのですか」

「聞きたいことがありまして…」

「何か…?」

「白蘭と親しかった侍女はいませんか?あとは白蘭の世話係をしていた侍女は?」


聞くと雪梨が憂鬱気に話した。


「いません。白蘭が死んでから皆、失踪や謎の死を遂げているのです。私も気になってはいたのですが…」


ここは魔宮だ。何があるかわからない陰謀渦巻く宮だ。使用人がいなくなったところでいちいち悲しむ者などそう多くはいない。


いなくなればすぐに新しい者が入宮する。


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