天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~

新天帝の誕生

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【天界】


実権を握っていた天后をなくした天帝は、まさに無能だった。


二千年の間、政務を怠っていたからだ。


それを月影が補佐した。謀反人の子でありながら月影の政務は完璧で重臣達も他の神達も文句は一切でなかった。


それに安心しきった天帝は皇太子の座を氷輪から月影にすんなりと移した。


「計画通りですね」

「ああ」


私は今日も自分の宮で白蘭の羽についた血を手作業で落としていた。


「月影様、衣が…」

「構わない」


白蘭の羽から杭を抜いたものの、その怪我は白蘭本人の体に戻すまで蘇生術が効かないようだ。


長年沈着した血を櫛と布で丁寧に落とし水で洗うと、淡い色の月影の衣は瞬く間に汚れた。


しかし月影は気にしなかった。


羽とは言え侍女にも気鋭にも触らせたくはない。



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