天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~


殺せ殺せと周りの神が叫ぶ。


「聞こえますか?皆の声が…皆、あなたが死ぬのを待ち望んでいるのです」

「…嘘だ…これは何かの間違いだ」

「これが現実です」


ゆっくり剣を天帝の首にあてると天帝が息をのむのがわかった。


「月影…やめてくれ…」

「さようなら…父上」


そして、月影は容赦なく天帝の首をはねた。


白い衣に血が飛び酷く汚した。


血が付いたまま月影は静かに玉座に座った。


その座は固く冷たい。それは月影の今までの苦悩を表しているかのようだった。


一度目をつぶり己の父を殺したことを実感した。そしてこれから率いていくのは自分だということも実感した。


次に目を開けた時には以前のような弱く善良な月影はいなかった。


代わりに龍の瞳を鋭く光らせると力強く一言いった。


「私が次の天帝だ」


すると周りから大きな歓声と喜びの声が上がった。


「「「新天帝陛下にご挨拶申し上げます!!」」」


こうして、新天帝・月影が誕生した。


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天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
【END】


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