囚われて、落ちていく
後悔
「お願いします!どうか、命だけは……!!!」

ある一人の男。
必死に命乞いをしている。

「ダメだ。お前、命乞いをする相手を間違っている」

ガッ━━━━━━!!!!
刹那(せつな)が顔面をおもいっきり蹴り上げると、声を漏らすことなく息絶えた。


「はい、終わり。
後はよろしく。瞬作(しゅんさく)
そして刹那は、従兄弟で部下の瞬作の肩をポンポンと叩いてその場を去った。

「うん…」
瞬作は少し悲しそうに瞳を揺らし、死体の始末にとりかかった。





裏組織最大の一花(いっか)組若頭・一条(いちじょう) 刹那。
残忍、冷酷、無惨……

冷徹な刹那に、戸惑いや躊躇いは存在しない。
どんなことでも与えられた仕事を完璧に遂行し、今や裏の“魔王”である。





誰も、刹那に




逆らえない━━━━━━━



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