囚われて、落ちていく
「うー、刹那さんって何を着てもカッコいい……
迷う……」
都麦が刹那の服をコーディネートしたいとの要望で、メンズショップに来ている二人。
何着も刹那に試着させていた。

「そう?
じゃあ…全部買う!」
「ぜ、全部!?
いやいや!ちゃんと、厳選するから待って!」
「フフ…可愛い~!」
真剣に洋服を見比べている都麦を、微笑ましく見る刹那。

「よし!これと、これ…とこっちにする!
買ってくるね!」
「え?つむちゃん!?」
「ん?」
「僕が払うよ?
待って!瞬作呼ぶから!」
「いや、今日は私に払わせて!お願い!
全部私がしたい!」
「………わかった。
お言葉に甘えるね!ありがとう!」
自分を見上げ必死に懇願する都麦に刹那は、微笑み頭を撫で言ったのだった。

せっかくならと購入した一式を着替えた刹那。
「か、カッコいい…/////」
都麦は顔を真っ赤にし、呟いた。

「フフ…次は、つむちゃんね!」
「へ!?」
今度は刹那が都麦をコーディネートし、着替えさせられた。
「刹那さん!!」
「ん?」
「こんな高い物……」
「いいの!
つむちゃん、とっても似合ってるよ!
可愛すぎて、益々惚れるなぁ~!」

都麦が恐縮するのも、無理はない。
都麦が買った刹那の服一式と刹那が買った都麦の服一式。
倍どころか“0”が一つ多いのだ。

「つむちゃん、次はどこ行きたい?」
「え?うーん」
二人は店を出ながら、次の行き先を考えていると━━━

「一条様…?」
「は?」
綺麗な女性が、ちょうど店に入ってきた。

「綺麗な人……」
思わず呟く都麦。
「こんな所で会えるなんて、嬉しい!!」
ごく自然に、刹那の腕に絡みつくように抱きついた。

「━━━━━━!!!!」
刹那を見上げる目が、その女性の想いを物語っている。
好きで、好きで、好きで堪らない。
私だけを見ててほしい。

自分と同じ目をしている。と………

都麦は思わず、繋いでいた刹那の手を強く握った。
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